人間の生活、そして生命の維持に欠かせないのが水。当たり前のように毎日使っているけれど、世界には一体どれほどの水があるのか考えたことがあるだろうか?
全世界の地質や天然資源などを調査しているアメリカ政府傘下の研究機関、アメリカ地質調査所(USGS)によると、地球上の全ての水を集めると直径1385キロメートルの球になるという。と言われてもどれくらいの大きさかピンと来ない方は、この画像をご覧頂きたい。この画像のアメリカ大陸にちょこんと乗っかっている水色のボールが「地球上の全ての水」である。
正直、「え、こんなもんなの?」という感じの意外な小ささだ。地球の表面の70パーセントは水で覆われているが、その水の層はとても薄い膜のようなものなのだ。
ところで、水がある場所といったらどこを思いつくだろうか? 簡単に思い浮かぶのは海、川、湖あたりだろう。だが、この「地球上の全ての水」にはそれだけではなく、地下水、氷河ばかりか水蒸気や人間や動物の体内に含まれる水も含まれているという。そうした全ての水をぜーんぶかきあつめたものがこの球なのだ。
なお、全ての水の96.5パーセントは海水(塩水)である。それ以外の川や湖、地下水などにある淡水が人間が生活を営む上で必要とされる水だ。淡水はこの球のたった3.5パーセント。世界中の人達が貴重な水を分かち合っているのだと感慨深くさえ感じられないだろうか。
淡水のうち人間が使う水の多くが川の水だ。だが、川の水が淡水の中で占める割合は非常に少ない。USGSの情報によると、川の水が淡水の中で占める割合はなんとたったの0.006パーセントだという。
残りの淡水はどこにあるのかというと、淡水の68.6パーセントは氷河や氷冠であり、グリーンランドや南極・北極で凍り続けた状態にある。そして、見落としがちな存在が地下水だ。地下水は淡水の30パーセントを占める重要な水源なのである。
地下水を目にすることは少ないが、しばらく雨が振らなくても川が絶え間なく流れ続けることができるのは地下水のおかげだ。降雨によって地下の帯水層と呼ばれる場所に満たされた水が、継続的に川に浸み出ているからだ。
人間の生活は様々な水によって支えられている。そしてその水は無限ではないということを心に留めておいた方がよさそうだ。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:Mail Online、USGS(英文)
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